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タイマイを守る

インドネシアのタイマイは減少している?

ELNAでは、1995年よりインドネシアにおけるタイマイ産卵状況の調査を行っています。これまで延べ39地域(505島)の調査を行い、約20,000巣のタイマイ産卵跡を確認しましたが、ふ化の跡を確認できたのは4巣のみ、他はすべて地域住民により採取されていました。1980年代の産卵数と比較すると82%も減少しており、多くの地域でその減少が確認されている上にすでに絶滅した地域も出現しています。

地域住民の収入源となるウミガメの卵

インドネシアでは、ウミガメもその卵も採取することが法律で禁止されています。しかし、ほとんどのウミガメ卵は地域住民により採取されており、地域によっては、地方行政が独自にウミガメ卵採取権を設け、その入札金が行政の収入源となっているところもあります。ウミガメ卵を採取している人々の多くは卵を売ったお金だけで生活しており、大きな産業もない地域では、ウミガメ卵がその地域の経済や人々の生活を支えているのが現状です。

インドネシアのタイマイと日本のかかわり

日本とは無関係に思えるインドネシアのタイマイですが、日本の伝統産業であるべっ甲工芸は、タイマイの甲羅を原料とします。インドネシアは、そのタイマイの世界有数の産卵地であり、日本はインドネシアから多い時で年間20トンのタイマイ甲羅(輸入量全体の約30%・タイマイ約2万頭分に相当)を輸入していました。タイマイは、ウミガメ7種の中で最も絶滅の危機に瀕した種であり、IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータブックでは絶滅寸前種(CR)としてリストアップされています。ELNAでは、インドネシアのタイマイの保全するために、現在5か所(5島)でプロジェクトを実施しています。

ウミガメ卵買上げシステム

ELNAでは、ウミガメ卵を地域住民から買い上げ、それを自然ふ化させることで卵採取の問題に対処しています。産卵された卵には一切手を触れずにそのまま放置して、住民には卵の監視も行ってもらいます。監視の成果は、産卵巣をふ化後に全部掘り返すことで確認し、それに見合う報酬も支払ます。このシステムの最大の特徴は、「卵を採る人」を追っ払ったりして排除するのではなく、仲間に引き込んで「卵を守る人」へと変えてしまうところにあります。これによりウミガメ資源に負荷を与えずに小規模ながらも雇用を生じさせることでき、「ウミガメ卵保護」と「住民の生活」の両方の問題を一時的に解決することができました。当然ながら、卵採取の問題を根本的に解決するには至りませんが、インドネシアの現状を考えると卵買上げが最も有効であると考えられ、実質的な数値としても成果が上がってきています。このシステムを用いたウミガメ保全活動は、1997年12月のセガマ・ブサール島で始まり、現在はプスムット島、モンペラン島でも実施されています。

インドネシアのタイマイ保全プロジェクト

●セガマ・ブサール島
●プスムット島
●モンペラン島
●キマル島
●プナンブン島