ウミガメ保全はなぜ必要か?

ウミガメ保全はなぜ必要か?

「生物多様性(せいぶつたようせい)」という言葉を聞いたことありますか?

きっと一度は耳にしたことがあると思います。
内容を知らなくてもきっと、「沢山の生き物が地球上で生活している」ことや、「それぞれの生態が関係しあっている」ようなイメージがわくのではないでしょうか?!

実はウミガメは地球規模の自然の中で、広範囲かつ多角的に恩恵を与えています!そのことをこのページでは紹介します。

人間にとって食や文化という面でも深い結びつきがあるウミガメですが、自然生態系にも多大な影響を与えていることが分かってきています。
あまり一般では知られていない内容をピックアップして、紹介します。

【 ウミガメが他の生態系に与えている影響 】

1. 陸上の生態系に貢献


陸から海へ栄養が運ばれることによって豊かな海が育つ一方で、海の栄養を陸へ戻すという循環が生態系を健全に保っています。ウミガメも産卵を砂浜でおこなうため、海から陸へ栄養を運ぶ役割を担っています。

ウミガメは1頭が1シーズンに約500個の卵を産みます(数は種による)。その卵は乾季には水分を、死亡卵は栄養(窒素、リン、カリウム)を植物に供給します。
植物が育つことによって、さまざまな生物が生息できるようになります。栄養が乏しい海岸植生にとって重要な栄養源の一つです。大陸から離れた河川の無い小島においては、特に重要な栄養源と言えます。

2. 魚類の豊富な海に

人間が多くの魚を捕り過ぎた結果として、クラゲが徐々にかつては豊富だった魚にとって代わってきました(餌の競争相手がいなくなったため)。更にクラゲは魚の卵や幼生を食べます。これらは、将来、魚が減少していくことを意味しています。

ウミガメ類はクラゲを食べます。特にオサガメは1日に200kgも食べる、地球上の生物で一番クラゲを食べる生き物です。オサガメの減少は、魚の資源量にも影響を与えているのです。

3. サンゴ礁生態系の多様性へ貢献

タイマイが主食としているカイメン(海綿)は毒を持つこととその構造上、他の多くの生き物は触れることができず、サンゴ礁生態系の生存競争で勝ち残り繁茂しやすい種類です。タイマイがカイメンを取り除くことにより、サンゴなど他の生物がサンゴ礁生態系の中で繁殖できるようになります。
海の生き物の1/4が生息すると言われるサンゴ礁生態系、海の熱帯雨林と呼ばれる重要な生態系を、タイマイは維持する役割をになっています。

4. 海のゆりかご“藻場”を健やかに保つ


アオウミガメは海草・海藻を食べます。これらが茂っている藻場は、水質浄化や稚魚を育む重要な役割があります。藻場はかいそうが茂ると動きがなくなり不健康な状態になりますが、それをアオウミガメが間引くことによって動きが生まれ、健全な状態を保つと言われており、フロリダ湾とメキシコ湾でその重要性が実証されています。

その他

・食べ物を提供
・住処を提供
・海鳥に休憩場を提供
など

いかがでしょうか。
サンゴ礁や藻場など海洋生態系の中でも要となる重要な生態系に影響があることや、海だけでなく陸にも恩恵を与えていることが分かってもらえたと思います。
また、ウミガメの行動範囲は広く、アカウミガメやオサガメは繁殖地から1万kmも離れた餌場を利用しますし、あまり移動しないと言われるタイマイでさえ最長6,100kmの移動記録があります。それだけ広範な地域の生態系に影響を与えていることが分かっていただけたのではないでしょうか?

ウミガメは絶滅が危惧されている生き物です。
ウミガメが減ることは人間社会だけでなく、地球の広範囲の生態系に影響がでてきます。
これを機会に、ウミガメ保全の大切さを見直して頂き、あなたにできることを是非探してみてください。

▶ 個人でのウミガメ支援
▶ 団体でのウミガメ支援
ウミガメ保全は、我々ELNAの力だけでは実現できません。是非あなたのお力を貸してください!