ウミガメを守るため、私たちにできる10のこと

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「ウミガメを守るために、私も何かできることをやりたい!」というお声をたくさんいただきます。しかし、ウミガメは海にいる生き物。海の近くに暮らしている人ではなければ、直接ウミガメのために何かをする、というのは難しいことかもしれません。

そこで!今回は、日常でできるウミガメ保全活動をご紹介します。

皆様のアクションがウミガメを守ることに繫がります。ぜひできることから始めてみてください!

1.ウミガメを知ること

まずは意識して情報を集める事から始めてみましょう。ウミガメがどんな生態なのか、またどうして個体数が減少してしまっているのか・・・まずは知ることがとても大切です。そして、周りの人達にもウミガメのことを伝えてください。ウミガメを取り巻く問題は色々あるので、たくさんの仲間が集まれば、その人の仕事や特技・立場を活かしてできる事は人によって色々あるかと思います。色々な立場の人がウミガメが直面している問題を知って、自分に何ができるのか?考えてていただき、そしてアクションをおこしてください。

世間では、悲しいことにウミガメに関する間違ったうわさ(ウミガメは皆ゴミ食べて死んでいる)や誤解を生む情報が流れています。時に、ウミガメや海洋生物にとって良い影響を与えない保護活動が生まれてしまいます。ELNAのHPやSNSではフィールドや最新情報を取得しつつ、その時点でできるだけ正確なウミガメ情報を提供するよう努めています。ELNAや小笠原海洋センターのHPやSNSをぜひご覧になってください。

・ウミガメ初級者→ELNAのSNSをフォローする。 twitter, Instagram, Facebook
・ウミガメ中級者→ELNAのイベントに参加する。
・ウミガメ上級者→Google sholarで文献を調べる。小笠原海洋センターに行ってウミガメのことを学ぶ。
・マニアック→ELNA創設者のブログ(ウミガメの独り言)を読んでみる。

2.ウミガメの情報をELNAに送る

ELNAはウミガメの生態の研究をしています。ウミガメに関するデータを収集・分析することで、海の中の暮らしや新たな生態が解明されることが期待されます。もちろん重要な生態が解明された際には、論文や世界ウミガメシンポジウムなどを通じて、世界のウミガメ科学者や団体へも発信していきます。基本生態を把握することは、絶滅危惧野生動物の保全において重要な事です。→研究・論文はコチラ

・標識を装着しているウミガメの情報はコチラ
・ストランディング個体(海岸などに漂着しているウミガメ)の情報はコチラ
・クジラの尾びれの情報はコチラ

3.Leave no trace

砂浜で過ごした後は・・・ゴミを持ち帰る。穴を掘ったら埋める。ウミガメが産卵にあがってくる海岸では、生まれたばかりの赤ちゃんガメがあなたの掘った穴に落ちてしまうかもしれません。

釣りを楽しんだ後は・・・釣り針、釣り糸、網などいらなくなった釣り道具を海に捨てないでください。釣り針が口に挟まったり、体が網に絡まってしまったり、軽い気持ちで捨てた釣り道具が、時にウミガメを死に至らしめます。釣り針はサークルフックを使うと、誤って食べてしまっても口にひっかかりにくいです。余った餌も捨てないでください。ウミガメが食べにやってきて、釣り針などを誤って食べる原因にもなりかねません。

Leave no trace、自然の中で過ごすときは、自然にダメージをかけないようにしましょう。

4.ゴミはゴミ箱へ

街から川へ。川から海へゴミは移動していきます。風で飛んでしまった小さなプラスチックゴミをウミガメや海洋生物が食べてしまうことがあるかもしれません。ゴミは必ずゴミ箱に捨てるようにしましょう。当たり前のようですが、ひとりひとりの行動がとても大切です。

5.環境に優しい製品を購入しよう

例えば、マリンアクティビティをする人は有害物質が入っていない日焼け止めを使用することもできます。また、環境に優しい製品を購入する消費者が増えれば、環境に優しい製品が増えることで、ウミガメを含めた海洋生物への負荷も少しづつ減っていくのではないでしょうか。

6.母ガメ、赤ちゃんガメ、卵はそっと見守る

砂浜に上陸して産卵する母ガメ。しかし、砂浜が明るかったり、人の気配があると、母ガメは砂浜に上陸しないことがあります。産卵中にライトを当てられると母ガメはビックリして産卵をやめてしまうこともあります。母ガメは静かで暗い環境を好みます。もし母ガメを見つけたら、遠くからそっと見守ってあげてください。赤ちゃんガメは明るい方向へ向かう習性があるので、赤ちゃんガメを見つけた時も、ライトの使用はお控えください。

砂浜で、ウミガメの卵(母ガメが産卵した跡)を見つけた時はどうしたらよいでしょうか?卵を守るため、違う場所に持っていった方が良いのではないか?と思うかもしれません。しかし、ウミガメにとって卵の中にいる時期はとても大切。雌雄が決まったり、砂浜に帰ってくるための場所の刷り込みが行われたり、卵を触わると簡単なことで死んでしまうため、母ガメが決めた産卵位置から動かさないのが最善です。

7.ボートはゆっくり移動する

ウミガメは息をするために、定期的に水面近くにあがってきます。その際にウミガメがボートにぶつかってしまうことがあります。ウミガメが近くにいる時は、ボートをゆっくり運転して、ウミガメにぶつからないように配慮をお願いします。

8.ボランティアに参加する

ELNAは小笠原海洋センターの管理・運営をおこなっており、ウミガメ保全活動をサポートしていただけるボランティアさんを募集しています。世界遺産にも登録されている自然豊かな小笠原諸島は、アオウミガメの日本最大の繁殖地です。ボランティアさんには、海洋センターでウミガメの飼育、産卵のふ化後調査、普及啓発活動などの業務補助をおこなっていただきます。直接、ウミガメ保全活動に携わってみてはいかがでしょうか?→小笠原海洋センターのHPはコチラ

9.寄付をする

皆様からいただいたご寄付は貴重な活動資金として、現地のELNAスタッフがウミガメの調査・保全活動に活用します。書き損じハガキや外貨、Tポイントを使ってのご寄付も可能です。ELNAサポートショップでウミガメグッズを購入することで、その売上が活動資金になります。より多くの皆様からご寄付をいただくことで、保全活動も広がり、よくたくさんのウミガメ達を守ることが可能です。→寄付のページはコチラ

10.このページを周りの人に伝える、シェアする

最後まで読んでいただきありがとうございました。ウミガメを守るためにできること、ぜひ周りの人達に伝えてください!

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