【論文】成熟ガメの鼻の組織論文、公表しました!

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帯広畜産大学との共同研究により、成熟アオウミガメの鼻の組織について明らかになったことを論文として発表しました。

分かったこと!

組織学的観察より以下のことがわかりました。
・未成熟ガメよりも成熟ガメの方が空気中の臭いに敏感である(未成熟はどちらかというと受身的ににおいを感知する)。
・鼻腔内の観察から、アオウミガメは海水(塩)の影響を抑制した上で効率的に空気中および水中の物質を取り込んでいることが示唆された。(鼻腔内の後背側憩室において、海綿状の静脈洞と換気に適する波形の感覚上皮が見られたことより)
・Gαs/olfが鼻腔内の3種全ての感覚上皮で優位的に認められたことから、成熟メスガメが多くのニオイ情報を感知できることが示され、ニオイが生態に重要な役割を持つことが示唆された。※Gαolfは嗅細胞に特異的に発現しているGタンパク質
※Gタンパク質は受容体からの信号を細胞内に伝達する機能をもつ(中継役)

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