オサガメ保全のこれから~僕がオサガメを増やすことにこだわる理由

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絶滅危惧種であるオサガメ。その中でも太平洋のオサガメは、マグロの延縄漁の混獲によって激減したとされています。そのため、世界中で、延縄漁の漁法に様々な規制がかけられています。

マレーシアでは、オサガメは絶滅し、メキシコやコスタリカでは数十頭の産卵メスガメしかみられなくなっています。メキシコでは1980年代には、30,000頭ものメスガメが産卵していたと言われています。

世界中で、太平洋のマグロ延縄漁を中断(いわゆるモラトリアム)する動きがあります。もしそうなれば、間違いなく回転ずしからは、マグロは消えてなくなります。

パプアの海岸を20年近く歩いて感じたことは、確かに延縄漁による混獲はあるのだろうけれども、マレーシア、メキシコ、コスタリカでオサガメが減少した主要因は、海岸にあるのではないかということです。それが、ここ数年の間に確信となっています。それは、昼間海岸を歩いて産卵後をみているだけで感じ取れるものです。オサガメに限らず、なぜ多くの研究者や保護団体の人たちが、この事実に気づかないのか、僕にとってはその方が疑問です。しかし、当然のことながら、多くの人々にそれを知ってもらうには・・・その証明をしなければなりません

今年になって、ようやくELNAが一つの海岸を独占できる動きになっています。これでやっと、僕(菅沼)の思う通りの活動ができることになります(※パプアでは、ELNA以外にも、米国のNMFS (National Marine Fishery Service)が指導しているパプア大、WWF-Idonesiaが調査を行っています)。

そうなると、個人的に非常に困難な問題が持ち上がります。海岸を独占したのは良いけれど、オサガメを増やさなければなりません。その責任がすべて僕にかかってきます。オサガメは移植と夜間パトロールによって減少したのだという確信はあるのですが、まだその証明はできていません。また、世界中にオサガメを増やすという目的を持って、増やした人は誰もいません。本当に、オサガメを増やすことが、できるのだろうかと言う前に、これは僕にしかできないという信念めいたものがあります。こんなことを言うと、今のウミガメの世界では、研究者などから猛反発を食らいます。

裏を返せば、増やしながら、オサガメ減少の要因を明らかにすれば、それですべて終わります。僕にとっては、孤独な最期の試練なのでしょう。ここ最近は、ELNAからは一人で、オサガメの産卵地に入っていますが、いつも自分との戦いです。

それでも、こうして何かを書けば、皆さんの温かい気持ちが反応として返ってきます。それだけが、大きな励みになります。信じてくれる人たちがいるからこそ、僕自身前を向いて行けるのだと思います。これらかも、よろしくお願いいします。(菅沼)