気仙沼に漂着したオサガメの調査

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こんにちは、ELNA井ノ口です。
先日、気仙沼でオサガメが漂着しているとご連絡いただき、調査に行って参りました。

他のウミガメであれば1人で調査することも普通にありますが、オサガメだけは無理なんです。🐢とにかく大きいからです。今回は、調査補助の学生と一緒に向かいました。
正直、女子2人では心許なかったのですが、県の方や町づくり協議会の取材の方がいらして、オサガメをひっくり返したり水を汲んでもらう、解剖後のお肉を運んでもらうなどの力仕事をご協力していただき、大変助かりました🙏🙏


オサガメは、世界最大のウミガメで2mくらいになります。生きているオサガメの写真は、インドネシアで撮影した成熟のオサガメです。大きさや、本来の姿が伝われば幸いです。オサガメは、甲羅がいわゆる亀甲といわれる爪のように固い鱗板(=ウロコ)で覆われてるのではなく、皮膚で覆われてるのが特徴です。気仙沼のオサガメはその黒っぽい皮膚が剥がれてしまっているので白く見えるのですが、これはこれで骨格の姿を観察できます。

気仙沼のオサガメは、成熟サイズより若干小さめでした。オサガメの甲羅の骨は他のウミガメと全く異なり、1センチ角程度の細かいパズルのピースが沢山組み合わさってできています。そんな様子を観察してもらいながら解剖をすすめていきました。
何百頭とウミガメの解剖をしてきましたが、オサガメは回数が少ないです。(ELNAでは年間1〜2頭調査するくらいの頻度)。
オサガメは他のウミガメ科とは骨格の形が全く異なるのは分かってましたが、手を切り落とす時の“肩甲骨のつき方が若干違うな〜”とか、食道が明らかに長いのですが”胃や腸も長さの比率が違うな〜”とか、”生殖腺や腎臓の位置も若干違うな〜”‥と、改めてオサガメがウミガメの中で独立した種類(科が異なる)なのだなーとしみじみ感じました。
調査にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
(気仙沼調査写真提供:本吉夢プロジェクト委員会様)

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