今年を振り返って

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ELNAの横浜事務所は、明日が仕事納めにLimpus and Emiなります。小笠原事業所は、年末年始明けからになります。皆さん、有形無形のご援助ありがとうございました。また、来年もよろしくお願いいたします。

今年は、特定非営利活動法人として今年6月に認定を取ることができました。平成25年10月31日現在、全国で48,399の認証されたNPOがある中、認定NPOは431しかありません。現在でも50,000件以上がNPO認証の申請をしており、認定NPOに関しては370件が申請中です。これにより、寄付などの免税が受けられることになり、NPOとしての信用度も変わってきます。来年はさらに中身を充実させ、ウミガメをはじめとした海洋生物の保全や調査に邁進していくつもりです。

組織が充実してきて、還暦の我が身を振り返ると、そろそろ前線からは身を引くべきかなと思ってしまう。この件で、ハワイでカメをやっているGeorge Balazsに、日本の還暦という説明をし、現場がつらいよねって話をした時に、「菅沼、絶対に現場から身を引くな、63歳の俺を見ろ、コル(Colin Limpus; 現場調査の世界の第一人者)だって70近いのにやめないじゃないか。」と、おしかりを受けた。だけど、ジョージはパプアの海岸を20km歩けるわけじゃないし、一緒にジャカルタ沖のスリブ諸島でタイマイの調査をやった時には、腹を壊して、めげていたではないか。あの時はまだ彼は40歳代だったはずだ。その時一緒いたジョージより年上のコルの方が、島の海岸を走り回っていた。コルは今でもオーストラリアで海岸を走り回っているらしい。

確かに若い時から、鉄砲玉のようにただがむしゃらに前に進んできて、ここまでようやく到達、というより一つの通過点として今ここにいる。たぶん、僕には終着駅はないのだろう。そして、仕事としての安定感・安心感はこれまで全く持っていなかったし、考えたこともない。しかし、若い人たちは、どうもこれを求めているようだ。そのギャップが、僕自身が前に進むことを躊躇させているのかもしれない。また、来年、年が明けたら、ゆっくりと考えよう。皆さんよいお年を。

*写真はオーストラリアのウミガメ学者;Colin Limpusとエルナ職員の井ノ口、オーストラリアの国際ウミガメシンポジウムにて)

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