NOAAの宣戦布告の解説

NOAAの宣戦布告の解説

NOAAというのは、National Oceanic and Atmospheric Administration (アメリカ海洋大気庁)の略で、アメリカ合衆国商務省の機関の一つで、海洋と大気に関する調査及び研究を専門としています。この機関の下にNMFS (National Marin Fisheries Service) があります。NMFSというのは、アメリカの国家海洋漁業局です。このビデオを作製したのもここです。NMFSは、日本の水産庁に近い組織ですが、調査や研究を主体にデータをとり、海洋保全や水産業に関するアメリカの法律を制定したり改正したりしている組織です。ビデオに出てくるトロール網からウミガメが逃げることのできるTED (Turtle Excusive Device; ウミガメ排除装置) を年間5億円も使って、5年間でこの装置を開発し、10年ほどかけて連邦州で法制化した組織です。アメリカの領海内ではこの装置の付いたトロール網を使わなければ漁業者は漁ができません。ウミガメを守るために、この法律を中南米諸国に押し付けていますし、この装置を使っていない国からのエビの輸入を禁止しています。東南アジアにこの法律を押し付けようとして失敗した結果です。

アメリカにはESA (Endangered Species Act; 絶滅危惧種法) というものがあり、定期的にリストアップされている種の見直しがあります。3年ほど前にアカウミガメの見直しがあり、現在アオウミガメの見直しが行われています。その見直しの中で最大の問題となっているのは、漁業による混獲問題です。ビデオの中にあった世界でウミガメの保護(水色の部分)が行われていない地域の地図は、なぜか大西洋は含まれておらず、アジア付近は真っ白になっています。今、アメリカはウミガメの混獲問題にターゲットを絞っています。これにより、アジアに対して圧力をかけてきます。アジアの場合は、トロール漁が主体となっていて、すでにTEDの押し付けに失敗していますので、この混獲に関してはそれほど問題がないのですが、日本の定置網漁に3年前から目をつけています。現場のことを調査せずに圧力をかけてくるのは目に見えています。これからどうなるのでしょうか。日本は、ウミガメの混獲問題と真摯に向き合えるのでしょうか。定置網ばかりではなく延縄漁業も救うことができるのでしょうか。日本は世界のタイマイを80%も減少させ、素知らぬ顔をしている国です。ビデオの地図を見ていると、TPPの勢力図に見えてくるのは僕だけでしょうか。