【活動報告】厳しさが増す産卵環境―プスムット島でのウミガメ保全調査(2025年11月)

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― 激変する産卵浜と、970巣の保全活動 ―

2025年11月、インドネシア・バンカブリトゥン州に位置するプスムット島(Pulau Pesemut)にて、現地パートナー団体の調査員による出張調査が実施されました。
調査は約2週間にわたり、ウミガメの産卵巣の調査・保全活動を中心に行われました。

長期滞在で行われた巣の調査と保全活動

調査期間中は、島に常駐する監視スタッフや地域住民の協力を得ながら、産卵巣の掘り起こし調査(ふ化後、保全目的)を継続的に実施しました。
作業には、

  • ふ化後の産卵巣の掘り起こし

  • 産卵に上陸した親ガメ(タイマイ・アオウミガメ)のタグ付け

  • 産卵浜の見回り(違法盗掘からの保護)

  • 調査期間中の生活を支える炊事など

地域の人々に関わっていただきながら実施しました。

また、違法行為の監視・通報を担う地域組織「POKMASWAS(住民監視グループ)」や、行政機関との連携についても現地での確認・調整を試みました。

深刻な問題:卵の盗難と機能していない監視体制

一方で、今回の調査では深刻な課題も改めて明らかになりました。

プスムット島では、ウミガメの卵の盗難が現在も継続して発生しており、残念ながら島の管理に関わる立場の人物が関与している疑いも指摘されています。
これらの問題は過去にも行政へ共有されてきましたが、十分な抑止効果が見られていないのが現状です。

さらに、現地入りした際には、本来地域の監視を担うはずのPOKMASWAS(住民監視グループ)はまだ新しい制度であるためか活動実態を確認することができず、周辺住民の間でもその存在がほとんど認知されていない状況でした。

気候変動による産卵浜の急激な変化

今回の調査で特に印象的だったのが、産卵浜の急激な地形変化です。

近年の異常気象や高波の影響により、

  • 2024年は島の西側の浜が大きく侵食

  • 2025年には北側の浜がほぼ消失し、産卵巣が波にさらわれる事例も発生

11月の調査時には、西側・南側の浜も激しく削られ、崖状になった場所が多く見られました。
この影響で、産卵巣の流失(侵食・高潮被害)が増えました。

今回の調査成果

困難な状況の中でも、調査チームは粘り強く活動を続け、以下の成果が得られました。

  • 掘り起こし調査を行った産卵巣:約970巣
    (タイマイ・アオウミガメ)

  • 卵の盗難が確認された巣も一部あり

  • 海岸環境の記録

今後に向けて

今回の出張調査を通じて、産卵浜の環境変化への対応と同時に、違法な卵の盗難を防ぐ体制づくりの重要性が改めて浮き彫りになりました。

私たちは今後も、

  • 違法盗掘を減少させるための行政機関との連携強化

  • 地域レベルでの実効性ある監視体制づくり

これらを現地パートナーと共に模索しながら、ウミガメたちが安心して産卵できる環境を守る取り組みを続けていきます。

引き続き、インドネシアでのウミガメ保全活動にご注目ください。

林の中で出会ったタイマイ母ガメ
ふ化後の産卵巣の掘り出し調査

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