Sabira島での支援、知見の共有活動 -つづき

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他地域のウミガメ保全にも貢献するため、ELNAが持っているウミガメ保全や調査手法の知見を、 インドネシアの 他団体/組織にも共有する活動をしています。
支援地域の一つがSabira島です。
インドネシア首都ジャカルタの北にあるスリブ諸島最北端の島です。この島でウミガメ保護活動をしている団体を支援してきました。

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今までの活動
① ELNA活動地セガマ・ブサール島へ招待し、研修をおこなう →活動のブログ
② Sabira島視察、保全手法について打合せ。標識放流調査道具の貸出 →活動のブログ
③ Sabira島にて新しく実施した保全手法の結果調査、打合せ。
※ 全ての活動をELNAパートナー団体YPLI(インドネシアウミガメ研究財団)と一緒に実施しました
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今回は③の活動について紹介します。

Sabira島では今まですべての巣をふ化場に移植してふ化させていました。卵の移植はリスクを伴うため(例:雌雄の決定、脳機能への影響、磁場感知機能への影響)、自然ふ化での方法を試みる取り組みをしました。
ただ、Sabira島で自然ふ化させる課題はミズオオトカゲによる卵の捕食です。
そのため、トカゲ食害から守るための柵を試したので、その結果を確認しました。

 ←設置した柵

巣を掘り返した結果、ほぼ全ての卵はトカゲに食べられており、残っていた殻2個もトカゲに食べられていました。
現地の報告により、産卵から1週間でこの巣はトカゲに掘られその時点で6個の卵殻を確認しています。
柵は4隅を板で囲い、更に丸太で周囲を覆いましたが、下から掘られてしまいました。おそらく囲いが小さかったことが予想されます。
 

また、この巣の他にも自然ふ化させ、囲いはせずに人間がこまめに巡回をして巣を守るという方法も試しましたが、こちらもトカゲにやられてしまい、そして半分は島民による卵の盗掘*に合ってしまいました。
(*インドネシアでウミガメ卵の採取は違法ですが、卵は食用として未だ盗掘され販売されています)

Sabira島のウミガメ保全スタッフは、セガマ・ブサール島で実施している自然ふ化での保全を実施・継続していきたい意向ですが、この施設の資金を出している地方政府や出資者は卵の移殖を推進しています。
自然ふ化させる巣を増やすためには、ミズオオトカゲによる捕食や島民による盗掘も合わずに安全に巣が保全できることを彼らに証明していく必要があります。まずはオオトカゲから巣を守る方法を確立することが大きな課題として残りました。

また、今回の訪問では、学校の先生や宗教の店など島民の方々にウミガメについて周知をしつつ、情報収集もおこないました。
Sabira島ではウミガメ卵を食用として好む人達が多く存在し、小さな島ですが通報されること無くお店で売られることも普通にあるそうです。Sabira島のウミガメ保護団体は学校や島民、観光客への周知をしているそうですが、まだまだ地域住民の意識が保全へ向いておらず、また経済的な意味でもウミガメ卵は利用されるため地域住民への普及啓発は課題が残っていることが分かりました。

【今後】
本支援事業は、地球環境日本基金の助成をいただき実施してきました。
助成期間は終了し資金も無いたため、訪問など新たな資金をかけることができません。
YPLIと打合せをし、今後は、ELNA活動地であるセガマ・ブサール島でオオトカゲによる食害から巣を守る方法を試して確立し、その手法をSabira島へ還元する取り組みをして行く事にしました。セガマ・ブサール島で雇用している監視員がSabira島出身であるため、手法が確立できれば彼を通して直接教授することが可能であり、問題なく引き続きの支援が可能であると考えています。

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