インドネシア・西カリマンタン州にあるプナンブン島で、ウミガメの保全活動を現地パートナー団体YPLIとともに進めています。8月にYPLIスタッフが現地を訪問し、調査と関係機関との打合せを行いましたのでご報告します!
西カリマンタン州海洋水産省(DKP)を訪問し、協力覚書(MoU)や協定(PKS)の手続きを打合せ
プナンブン島で現地監視員とともにふ化後の巣の調査を実施
巣のデータを正しく記録する方法等を常駐監視員に指導
今回の調査では**202巣(アオウミガメ・タイマイ)**を確認し、殻の数から多くの稚ガメが無事に海へと旅立ったことが分かりました。2月の現地訪問時よりもふ化状況が良く、保全活動の成果を実感できる結果となりました!
一方で、いくつかの課題も浮かび上がっています。
卵の盗掘:監視員が不在のとき、また監視員が常駐していても夜間に盗まれるケースが発生
高波による巣の流出:高波の発生や海岸地形の変化nいより巣が被害を受けることがある
行政の支援不足:行政による違法盗掘の海上パトロールの実施を期待したいが、行政側からは予算不足で難しく、逆に資金提供依頼や現地にYPLI職員を常駐させてほしいとの要請を受けた
盗掘から卵を守るには、現地住民・政府・私たちNGOが協力し合う体制づくりが不可欠です。
今回の訪問では、監視員と一緒に活動の改善策も確認しました。
巣ごとに番号を付け、盗掘があった場合も含めて毎月の産卵巣数を正確に報告してもらう
高波にさらわれそうな巣については、ふ化後の殻を安全な場所に保管して調査できるようにする
監視員による卵の消費を減らし、より多くの稚ガメが海に帰れるようにする
小さな改善ですが、積み重ねることで大きな成果につながるはずです。
プナンブン島は、西カリマンタンにおけるタイマイの重要な産卵地です。しかし、現地だけの努力では限界があり、盗掘防止や調査活動には継続的な支援が必要です。■タイマイサポーターとして活動に寄付をする
どうか、この活動に関心を持ち続けていただき、SNSでのシェアやご支援を通して「ウミガメを守る仲間」になっていただければ幸いです。
※本事業は地球環境日本基金の助成金を活用して実施しています
島の南東の海岸の様子が大きく変わっていました。豊富だった砂が無くなり、浜崖が発生しています。
プナンブン島の監視員常駐用の小屋と周辺の様子
ふ化後の巣を掘り起こす調査の様子。島に常駐している監視員の方々。
掘り起こした卵の殻。右側にふ化殻、左側が死卵など。
ピンク色の札が巣の位置と識別用の番号。高波で巣が流出した様子。
堀りだした巣。1回の産卵分。沢山ふ化した様子がうかがえる。
草むらの中にも産卵したタイマイの巣を掘り起こす様子。ふ化後調査。
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