終了報告「アクションミーティング2022」

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年に1回のエバーラスティング・ネイチャーの活動報告会「アクションミーティング」が12/10(土)に開催されました。「ウミガメとの共生~ヒトとコロナとウミガメと~」をテーマに、各活動地から話をしました。

この2年、新型コロナウィルスによる行動制限で、自然が回復した事例というのが世界の各地で聞かれました。ウミガメには何らかの影響を与えたのでしょうか?コロナによる影響についても発表しました。

1.インドネシアでのウミガメ調査・保全活動 (井ノ口)

タイマイとオサガメに関する報告をしました。タイマイは増加しており、オサガメは横ばいという傾向です。オサガメの方もなんとか回復して欲しいところではあります。

コロナの影響に関しては、もともとあまり人がいない地域なので、影響は見られなかったそうです。

インドネシアでのウミガメ減少の原因の1つは人間による卵の乱獲です。私たちの活動地では、卵を採取する人を監視員として雇用することで対策をしています。今後、インドネシアの皆さんには、ウミガメからの恩恵に目を向けてもらえるようにしたいです。インドネシアでは、ウミガメは将来的には観光資源にもなり得ますし、ウミガメの死亡卵は海岸の植生に必要な栄養を運んでくれます。来年度は、地元住民への啓蒙活動にさらに力を入れていきたいとのことです。

2.小笠原でのアオウミガメ調査・保全活動 (清水)

小笠原では、今年もたくさんのアオウミガメの産卵巣が確認されました。ボランティアさんにも多くお越しいただき無事に調査を終えることができました。

小笠原は島民からのウミガメへの理解も深く、人間とウミガメが良好な関係を気付けているそうです。街に迷い込んだウミガメがいると島民が連絡してくださります。また、ウミガメを食文化として利用しており(捕獲の頭数制限をしています)、飲食店ではウミガメ料理を食べることができます。ウミガメを増やしながら食利用をしているということで、小笠原は世界の研究者から注目されています。

コロナの影響で、小笠原海洋センターの売上が減少したり、調査範囲の縮小を余儀なくされました。コロナ禍で観光客が少なくなれば、邪魔されることなく産卵ができ、産卵が増えているのでは?と仮説をたてましたが、実際に産卵巣数や産卵成功率との相関関係は見られず、ウミガメへの影響はなさそうとのことでした。

3.ウミガメの混獲・ストランディング調査 (北山)

2022年のウミガメ漂着(ストランディング)や混獲調査の発表をしました。今年は混獲調査の頭数が過去最高となりました。

コロナ前との比較では、コロナ後の近年ストランディング調査数が増えています。しかし、これは努力量が影響している可能性が高いです(たくさん調査に行けば、調査数は増えて行く)。混獲調査の方は数が年々と増加しています。特にアオウミガメの混獲調査の数が増加しています。ストランディング数はコロナとは関係なさそうですが、関東近郊のアオウミガメは増加していると言えそうです。

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