不思議なカメの世界

不思議なカメの世界

カメの世界は、一般的な学問の世界と違い、様々な人たちが関わっている。年1回の国際会議でウミガメだけで、2000人もの人々が集まる。日本でも年1回、日本ウミガメ会議が開催されているが、多い時には400人以上の人が集まる。研究者もいれば、地域で保護活動をしている人たちもいる。学生やカメと関わりのない会社の人たちもいる。もちろんカメ好きの人たちも。国際会議では、ウミガメだけではなく、自然な好きな人、自然保護団体の人、政府の役人、かつてはべっ甲業者の人たち、などなど様々な人たちが国内外から集まってくるのである。このようなウミガメ会議で面白いのは、会議自体は方向性を持っていないことである。普通の会議ならば、ウミガメを保護するとか、絶滅から守るとか、そのような方向性を持っていて、そのための具体的なことが議論されるが、それぞれの分野に分かれて意見の交換がみられるだけである。アメリカには、多くのウミガメ研究者がいるが、専門が細分化されており、全体論的な意見を言う人たちがいない。ウミガメが対象というだけで、その分野はあまりにも広すぎるからだろう。生態学、行動学、機械工学、生理学、病理学、解剖学、政治学、海流工学、海岸工学、統計学、自然保護学、社会学、民俗学などびっくりするぐらいの分野で専門家がいる。しかし、その研究対象がウミガメであるということで、統一されているのである。このような状況では、当然のことながらウミガメ界のリ9-OGposterーダーはでてこない。ウミガメの世界も、細かなグループに細分化されており、それぞれが独立しているようでもあるが、その反面非常に流動的でもある。50-60年ほど前に、フロリダ大学のDr. Archi Carrがウミガメにアドバルーンを付けてウミガメの追跡をして以来、オーストラリアのDr. Robert Bustardやセイロン(今のスリランカ)のDr. Paules Deraniyagalaが海岸でウミガメの調査を始めて以来、ウミガメたちは、有用食料として、利用動物として、研究対象として様々な関わり方で存在してきたことが、今日の混沌な世界を招いたのであろう。